縫い目
午前中は、めいっぱい家事に費やした。 シーツを洗って、布団を干して、部屋をそうじして。 それから、掛け布団の破れていたところを縫った。 長さにして1メートルくらい裂けていて、そこから中の綿がはみ出てしまっていた。 布団の中に入っている綿って、もっと白くてふわふわしているものかと思っていたけど その布団の中に入っていた綿は、ねずみ色で縮れていた。 げ。という感じ。 なんとなく一刻も早くふさぎたいと思った。 私は、針仕事は全然得意ではないが、繕い物をするのは、けっこう好きだ。 手術をしているみたいな気持ちになる。 「かわいそうにねえ。痛かったでしょう。よしよし」 などと声をかけながら、縫っていく。 はたから見れば、かなり不気味かも。 破れたところが修正されていく過程に、わくわくする。 繕い終わると、よかったよかった、と思う。 できばえは、ひどいものだけど。 不ぞろいの縫い目たちが限りなく愛しかったりする。 布団も干せたし、シーツも洗えたし、繕い物もできたし、気になる場所の掃除もようやく終わったし、 えらく充実した気分。
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